砂川恵理歌 オフィシャルウェブサイト

2009.3.16(月)/17(火) No.8
介護老人保健施設「友愛園」


今回は2日間にわたって私の以前働いていた介護老人保健施設「友愛園」へ訪問させていただきました。 ここは、一度歌手になる夢を諦めた私に「歌の力」を教えてもらった場所。 そして、「どう生きるか」と向き合い、 夢を追う背中を力強く押してくれた場所での「Smile Seed Project」。

できるだけ利用者さんの日々の生活の中でやらせて頂きたい! との私の思いを快くご理解頂き、2日間にわたって時間を 作っていただいた友愛園の皆様に心から感謝します。
ありがとうございます!
「友愛園」は大きく分けて4つのフロアーに分かれていて、 認知症の度合いや残存機能の度合いによって各階分かれています。
3階〜5階が入所と呼ばれ、そこで生活をされている皆さん。 2階が通所と呼ばれ、自宅から通われる皆さんとそれぞれ別れています。

1日目は、4階と5階の皆さんとご一緒に過ごさせていただきました。 4階の皆さんは、認知症的にも残存機能的にもほぼ自立されてる皆さんと6階にあるリハビリ室で。
「昔程、歌を歌う利用者さんが居なくなってるよ〜」 と話していたので、気負うことなく、流れに任せて過ごしてみようと 4階利用者さんの皆さんとゆっくり「てぃんさぐぬ花」を歌ったり、 利用者さんの歌を聞いたりとすごしました。 私のことを覚えていて下さっていた利用者さんが部屋から会いにきてくれたり、 どんどん集まってきてくださいました。
そして、「一粒の種」を歌うと
「いい歌だね」
とこっそり耳元で言ってくれた利用者さんも。
うれしかったです。

そして、5階の皆さん(認知症専門フロアー)とは5階のフロアーでゆっくりと始まりました。 利用者さんもそして、当日いるスタッフの皆さんも集まってくれて その皆さんの眼差しが、とってもあったかくて涙がでそうになりました。
認知症の皆さんには、スタッフの「気」がよくも悪くもすぐ気づかれてしまうんです。
利用者さんがこんなに落ち着いて穏やかに居られるのは、スタッフお一人お一人がその雰囲気を作っているからこそ!
とても幸せな気持ちで「一粒の種」を歌わせて頂きました。
一人の利用者さんが「ほろりとくるいい歌だね〜」と何度も言ってくださいました。
この日はその雰囲気に後押しされてか、 最近あまり歌わなくなった利用者さんも歌いだしたり♪
スタッフはそんな利用者さんの嬉しそうな姿に喜びを感じるのよね、と
うれしそうにそう伝えてくれました。


そして、翌日2日目は3階の皆さんと。
このフロアーはご飯を飲み込む機能が低下してしまい、直接胃へ栄養分を摂取される皆さんです。 表情は注意しないとわかりにくいですが、ちゃんと何かしらサインを送ってくれます。 なかには話しが出来る方もいます。
そんな皆さんとのひと時は、私が歌う声がちゃんと聞こえているよと 体中でサインを送ってくれます。
「ぁ”〜!」と泣き声を出してくれる方、中を舞う手で拍子を合わせてくれる方、 閉じていた目をうっすら必死で開けてくださる方…。 「聞こえてるよ」とは言えないけれど、全身で歌を受け取ってくださる様子にやっぱり「歌の力」を教えて頂きます。


そして、最後は通所と呼ばれる自宅から通う利用者さん、2階の皆さんとご一緒させて頂きました。 みんなで、「笑」や「沖縄の歌」をいくつか歌って盛り上がり、笑顔溢れる時間でした。 最後に「一粒の種」を歌わせて頂く時、まさに、里帰りのような気持ちになりました。 本当にこの場所でこの歌を歌わせてもらえてありがとう!と。

私が当時働いていた時にとてもお世話になったスタッフとの再会もありました。 何度も壁にぶち当たるたび、親身になって話を聞いてくれたこと、 ご自身も病と闘っていたこと、友愛園での出来事が走馬灯のように駆け巡ってきました。 学ぶことも多かったけれど苦しいことも多かった時でした。 「一粒の種」という曲に出会う為に、私はここで働き、 そして、いろんな事を教えてもらったんだなぁと。
「友愛園」で「一粒の種」を歌っていると、その連なりの線が見えたような気がして あの時「夢」を追いかけて「歌手」になって本当に良かった! ありがとう!と心から思ったら涙が溢れてきてしまいまいた。 まだまだ人生旅の途中、探し物がおおい旅人ですが、大きな起点となる 「Smile Seed Project」となりました。
本当にありがとうございました。


ではまた次のSmile Seed Projectで !