砂川恵理歌 オフィシャルウェブサイト

2009.3.28(土)No.9

特別養護老人ホーム「足原のぞみ苑」


今回は福岡県北九州市小倉にある「足原のぞみ苑」へ訪問させて頂きました。小倉駅でのイベントの合間を縫っての訪問となった為、お昼時の短い時間にも係わらず、快く迎えてくださった足原のぞみ苑の皆様心から感謝いたします。
ありがとうございました。

お昼直前に4階の利用者の皆さん(認知症・残存機能的にほぼ自立されてるフロアー)とスタッフの皆さん
地元、沖縄以外で人生を重ねた先輩方への「Smile Seed Project」は今回が初めてだったので、最初のつかは「どうするべき?」と1曲目に悩む砂川。「歌は国境を越える!」いやいや「県をも超えるはず」と、介護の仕事をしていた頃、認知症の方でも何故かスラスラ歌詞が出てくるという「籠の鳥」を選んで歌ってみることにしました。「皆さんご一緒に!(笑)」と無謀とも思える私の声に何と沢山の利用者の皆さんが一緒に歌って下さいました。感激です♪本来なら12番まである長〜い歌なんです。私も7番まで覚えるのがやっと。後でスタッフの方に「籠の鳥」は普段よく歌われるんですか?ってうかがってみたら「歌ったことない」との返事にさらにびっくりしました。歌は時間も越えてしまうようです。
そして、のぞみ苑の皆さんにも「一粒の種」を聞いて頂きました。うなずきながら目を閉じて聞き入って下さる方、じっと誰かを思って一点を見つめてる方、泣きながら聞いて下さる方…。短い時間ながらも利用者の皆さんと一つになれたように感じた瞬間でした。
歌い終わって利用者の方から「来てくれて本当に有難う。私はいつでもここに居るから是非また来てね!」 と両手で力強く握ってくれた手が温かくて、切実で、深くて、「来てよかった…。もっと成長してまた会いに来たい!」と心から思わせてくれ胸が熱くなりました。



そして、3階の利用者の皆さん(認知症・介護度が高いフロアー)とスタッフの皆さん
すでに食事中という事で、「一粒の種」を1曲だけ歌わせて頂きました。
理由は利用者の皆さんにとって楽しみの一つでもある食事は、高齢になると嚥下機能(飲み込む機能)も簡単ではなくなるので、スタッフは誤嚥(食べ物が器官に入らないように)注意しながら気を配る時間だから。(誤嚥は命にかかわるから。) この時ばかりは、「お願い!食べることに集中して!」と願いつつ、そして、介護にあたるスタッフの皆さんに届いて欲しいと思いながら歌わせて頂きました。
私が介護の仕事に携わっていた頃、命と向き合う日々に感じて残っていた気持ち、時折襲う強烈な「無力感」。それに押しつぶされそうになっていた気持ちを「生きててよかったよ あなたのそばでよかったよ」の歌詞がそっと私の心を軽くしてくれました。言葉でうまく表せられないけれど同じ様なこの気持ちが届くようにと。
先に食べ終わった利用者の方が私のほうに体を向けて聞いてくださったり、 時折視線を向けてくれる温かい微笑みを浮かべながら食事介助にあたるスタッフ。
1曲だけでしたが、歌い終えて頂いた拍手に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

またひとつ、大切な一粒の種がお届け出来た福岡県での「Smile Seed Project」でした。










ではまた次のSmile Seed Projectで !