砂川恵理歌 オフィシャルウェブサイト

2010.1.8 (金) №127
沖縄 名護市 綾乃さん

今年初めのsmile seed projectは、沖縄県内の個人のお宅を訪問しました。
沖縄県北部の名護市に住む綾乃さんという女性から昨年の秋にいただいたお手紙がきっかけでした。
お手紙には写真が同封してあり、その写真には、綾乃さんの次男で去年2月に亡くなった泰輝くんが写っていました。
1月8日は本来ならば泰輝くんの2回目の誕生日。
節目の日に、家族と「一粒の種」を聞きたいというのが依頼の目的でした。

泰輝くんは生まれつき心臓に心奇形があり、生後1年間の間に5回もの手術をしたそうです。
手術のたびに快方に向かっていたのですが、最後の根治手術を目前に急変して亡くなってしまいました。
写真の泰輝くんは本当にかわいらしく利発そうな男の子でした。

この日、綾乃さん宅を訪問すると、泰輝くんが写るアルバムを見ながら、綾乃さんとお母さん、そして長男のあゆき君がかわるがわるに泰輝くんの思い出話をしてくださいました。
そして、「心の整理がつかず、いつも自分を責めてしまう」、「誰に何を云われても辛かった」、と涙ながらにお話になりました。
綾乃さんは、ご自身のお母さんから「一粒の種」を知り、依頼、毎日家でこの歌を聞いてくださっていたそうです。
私自身はお話をただ聞くことしかできませんでしたが、「一粒の種」が綾乃さんの心を少しでも癒すことができるのなら、 と家族の前で静かに歌わせていただきました。
それから、泰輝くんに向けて皆でハッピーバースデーの歌を歌い、ケーキをいただきました。

「この歌を聴くと泰輝を近くに感じることができるんです。ありがとう、いい誕生日になりました」
と綾乃さんに言っていただき、少しだけほっとしました。

この家族の訪問は、全体的に心が引き締まるものでしたが、なかでもとても心に残っているのは、長男のあゆきくんのことです。
あゆきくんは、常々お母さんに、「泰輝はずっとそばにいるよ」「泣かないでって言っているよ」と 励ましているのだそうです。
あゆきくんの優しさ、そして悲しみを家族の強い繋がりで乗り越えようとする姿に、とても感動した訪問でした。

泰輝くんのご冥福をお祈りすると同時に、
天国の泰輝くんがずっとこの家族を見守ってくれていること、
そしてこのご家族がこの1年を穏やかに過ごしていけますよう、心から祈っています。












では、また次のsmile seed projectで。