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2010.7.6 (火) №160
沖縄県 沖縄ダルクリハビリテーションセンター デイケア

沖縄ダルクリハビリテーションセンターとは、 薬物やアルコール依存症から、真剣に回復したい人たちが集まる民間施設です。
ダルク(DARC)とは、ドラッグ(DRUG=薬物)のD、アディクション(ADDICTION=嗜癖、病的依存)のA、リハビリテーション(Rihabilitation=回復)のR、センター(CENTER=施設、建物)のCを組み合わせた造語なんだそうです。

こちらのデイケアに通う皆さんとスタッフの方20名ほどとご一緒しました。
普段は、1日3回のミーティング(グループセラピー)や,エイサー(琉球太鼓)などをしながら 精神的にはもちろん、肉体的にも社会復帰ができるようサポートをすることが目的だと説明を受けました。

1日3回のミーティングのうち、お昼のミーティングをご一緒させていただきました。
それぞれが、名前ではなくニックネームで呼び合っていました。
沖縄県外からの方も沢山いたのが驚きました。
また、スタッフも元薬物依存の方もいらっしゃいました。

ミーティングは、ハンドブックという冊子を音読していくことからスタートします。
そして、毎回あるひとつのテーマを立て、順番に自分を話、感じたこと、想い、何でもいいから話していくんだそうです。
今回は私が訪問したということもあってテーマは「種」という意味についてでした。

「種と聞くと、やっぱり大麻を連想する」
「今でも吸いたい気持ちがある」
「一日一日その気持ちと闘っている」
というような正直な言葉が出てきました。
ほかには、自分の生い立ちを話してくれた方がいたり、以前バンドをしていたと話してくれた方もいらっしゃいました。
あの頃のように音楽をまたやりたい。そのためにもここで頑張りたいと。
どの言葉もウソはなく、緊張感のある真剣な話し合いでした。

最後に私も歌の話をし「一粒の種」を歌った。
実は、みなさんが音読しているときから、何故か自分でもわからない涙が溢れてきていました。
そして、皆さんの話を聞かせていただいているうちに、皆さんの心に触れさせてもらっているように感じていました。

大切なミーティングの場に快く私をご一緒させてもらえたことにとても感謝の気持ちがいっぱいでした。
人の真の心に触れると、何故か人は涙が流れるのかも知れないと感じました。
そのことが嬉しくて、愛しくて、尊いと感じました。

「歌いにきてくれてありがとう」
「家族を思い出した」
という嬉しい言葉を皆さんからもらいました。

「薬物依存は、以前より低年齢化し、報道を通して誰でも簡単に手に入るように感じられてしまっています。 どう薬物依存にならないように啓発するかも大切だが、薬物依存になってしまったとき、どう乗り越えていくかを伝えていくことも、急務なんです」
とスタッフの方が話してくれました。

私はこれまで、「薬物依存」と聞くと、遠い話であり、怖い話だと思っていました。
でも、「死」というものが実はとても身近にあるように、薬物依存というのも私たちの身近にあることを知ることができました。

ここに通う皆さんは、13ヶ月間のプログラムを通過し、終了しするそうです。
この日たくさんの経験を重ねてきた皆さんに、今生きてここで出会えたことにとても感謝しました。
そして、「生きる」ということに真剣に貪欲に向き合っている姿に心を打たれました。

ありがとうございました。
では、また次のsmile seed projectで。