砂川恵理歌 オフィシャルウェブサイト

2010.7.20 (火) №167
兵庫県 NPOつどいの場さくらちゃん

こちらへの訪問は、念願叶っての訪問でした。
昨年、私も出演した沖縄の講演会で出会った丸尾多重子さんが主宰するNPO法人です。
ここは、今までお伺いしたどんなところよりも変わっている場所です。
一軒家に、介護従事者、お年寄り、ひきこもりの方、障害者の方が集まり、ごはんを食べたり、 話し合ったり、ときには映画をみたりする、「つどい場」なのです。
そして、丸尾さんは笑顔とパワーあふれる、とても素敵な女性です。

こちらに集う方々は、介護の悩みや生活の悩みを打ち明けあい、そして500円を払って丸尾さん手作りの ご飯を食べて、、、というのが日常のようです。
一部の方には口コミでとても有名なようで、私が訪問したこの日も、他県から認知症の親御さんを連れた 男性がいらしていました。月1回、楽しみにさくらちゃんを訪問しているのだそうです。

私も介護の世界にいた人間として、いつも思うのは、介護は一人ではできないということ。
そして、抱えるととても大変なのです。
丸尾さんは、お父様を看取ったご自身の経験から、介護の世界に入りましたが、介護現場の実態に納得できずに 御自身でこの場を開いたのだそうです。

丸尾さんの意図がわかりやすく書いてある文章があったので、こちらに拝借します。
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父を看取った後、ヘルパー1級を取得したのですが、その実習で介護現場の実態に憤慨し、怒りが治まらないまま物件探しに走り、2004年にオープンしました。介護中にいちばん辛かったのが、社会との隔絶感。介護中は周りも気づかって声をかけづらくなるので、ますます孤立してしまう。その頃からこんな場所があればいいなと思ってました。「さくらちゃん」は、困り果てた介護者さんから介護されるご本人、疲れ切った介護職の人まで、誰もがいつでも駆け込めて、同じ立場でとことん話せる場。いろんな人との出会いがあり、新しい情報があり、笑いも、美味しいものも揃っています。  介護って突然始まるもの。だから、介護者にとって最初の1年は病気の受容どころか、自分のことも考える余裕もない無我夢中の時期。それが2〜3年経つと、病状も把握できるようになり、疲れも出て不安になってくるんです。そんな時に一番なぐさめになるのは、身内でも親戚でもない、同じ介護をしている人同士。ここでみんな一緒にご飯を食べて心からゆったりできたら、ため込んだ思いをすべて吐き出して、思いっきり泣いて……。そして、人の話も聞いてホッとし、今度は介護の先輩から知恵をもらって、自分も明日からもう1回頑張ってみようと思うようになる。1人で頑張りすぎないで、みんなで支え合うことが大切なんです。
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私も皆さんとお食事をいただき、「一粒の種 〜合唱〜」を聞いていただきました。
認知症のお母さんとその娘さんがいらしていましたが、お母さんが歌を一緒にくちづさんでくれ、娘さんは そのお母さんに寄り添いながら少し泣いていらっしゃいました。









丸尾さんの意志、そしてパワー、そして明日の力をもらう場所。
とても素敵な時間をご一緒させていただきました。

ありがとうございました。












では、また次のSmile Seed Projectで。