砂川恵理歌 オフィシャルウェブサイト

2009.9.5(土) №78
沖縄県 第1回沖縄県のがん対策に関するタウンミーティング

今回は、沖縄県がん診療連携協議会が主催する
「第1回沖縄県のがん対策に関するタウンミーティング」に参加、
会の最後にミニコンサートを開催して「一粒の種」を歌わせていただきました。
この会の主催である琉球大学医学部附属病院がんセンターの増田昌人センター長のお取り計らいでした。
浦添市てだこホールの市民交流室にて、一般市民の皆さん、医療関係者、行政担当者、議員、 そしてがん患者やそのご家族含め約50名の方とご一緒させて頂きました。
増田センター長はじめ、がんセンターの女性スタッフの皆様、心よくお迎え頂きましてありがとうございました。

この会は沖縄県が抱えるがん治療の問題点に対し、改善策を話し合うもの。
今回が第1回目となります。私もこのミーティングに参加させてもらい、 少しですが学ばせていただきました。

他県の事例もあげながら紹介された沖縄県のがん対策の現状は、考えさせられることが多かったです。
特に気になることは、沖縄はがん対策予算が他県に比べてとても少ないということ。 県側ががんについて関心が薄いのでは、という懸念があるそうで、 その理由として、これまで患者ご自身の気持ちがうまく公的機関に反映されていない、というものが挙げられていました。


患者の声をもっと行政に、という目的で、琉大病院がんセンターでは、今年から「ゆんたく会」という会合を定期的に開催しています。そこでは患者が主体となって何でも話し合い、公的機関へ向けての発信に努めているそうです。
ゆんたく会の活動は、琉球大学医学部附属病院がんセンターのHPでも紹介されているので、ご興味がある方はぜひご覧ください。 http://www.ryukyucc.jp/
※「ゆんたく」とは、沖縄の方言で、おしゃべりを意味します。

増田センター長は
「日本人の死亡原因は、がんが圧倒的に高い。
今回のタウンミーティングをきっかけに、沖縄県でもがん患者やご家族が
直接話しができる公の場の必要性を強く感じている」
とお話されていました。


アンケートの回答やフリーディスカッションでは
「がんについてどこに相談したら いいのか分からない」
「薬が高くて買い続けられない。命をお金で買っているようなもの」
「医者の育成が一番大事なのか」
といった生々しいお話も飛び交い、改めて現実の難しさを目の当たりにさせられました。

そして皆さんにも「一粒の種」を聞いて頂きました。
これまで、病院で歌わせていただく機会もありましたが、
毎回その会場々に集まってくださる皆さんの事情を考えると、
「一粒の種」という歌をどうやってお届けしたらいいのかステージに上がるぎりぎりまで悩みます。
「一粒の種」は、末期がん患者の言葉がもとになって生まれた歌ですので、
特に今回の席で私が務めるべき役割に関して、大変気持ちが揺らぎました。
しかし、増田センター長がたくさんの事情を排除して私をよんでくださった気持ちとご尽力に 少しでも添いたい思いで、まっさらな気持ちで歌うことにつとめました。
「一粒の種」が放つ、「生きたい」というメッセージと「生きててよかった」というメッセージ。
それを感じ、今を少しでも豊かに前向きに過ごそうという心になってくださればと願いを込めて。

ライブを終えて、お一人お一人と握手させて頂きました。
「いい歌をありがとう」 と嬉しいお言葉を頂きました。
そして、がんセンターのスタッフの方から
「心を込めれば伝わるんですね、私達も頑張ります!」
と、とても身に余るお言葉を頂戴し、安堵とともに喜びも感じました。

この会は、私の故郷・沖縄でがんと向き合う志ある方々の集まり。
未来の沖縄を支える方々にとって、この歌がほんのわずかでも力になれたらと、と願っています。
そして、歌手として、この動きをもっと広げていく役割を私も担いたいと感じましたし、 私自身ももっと学んでいきたいと思いました。
今回のこのタウンミーティングに、私も強い「希望」を感じました。
今後も開催されるという、タウンミーティングにまたご一緒できたらと思っています。









では、また次回のSmile Seed Projectまで。